ジョギングを止めた理由(わけ)

断酒生活

もうすぐ断酒5年生です。どーもBASOです。



今回の話は、運動する事に全く興味がなかった私が、断酒後少しずつ健康的になった時期の話です。

とは言っても4ヶ月ほどですが…結構走る事が気持ち良かったです。

あれは今から4年程前の事です。私は、断酒し始めの頃ジョギングにハマりました。始めたきっかけは娘の付き添いで、って感じでいつの間にか私だけがハマっていくというパターンでした。

とある真夏の休日、娘二人の誘いで走りに行くことになりました。運動というのを全くしていなかった私は初心者という事もあり2㎞ぐらいから始めたのでした。

それはもうゆっくりとしたペースで近所の堤防沿いを走ったのですが、真夏なので汗はダラダラとひっきりなしに流れます。娘二人も各々のメニューをこなしながら走っておりました。初日はそれこそ30分もいなかったと思います。

久しぶりの運動に全身がダルかったのを覚えています。娘たちもしんどそうでした。それでも、何かスッキリして気持ちいいもんだなぁとも思いました。

この時の私は、断酒を初めて2,3か月程でしたので、まだまだ意識的に「絶対飲まんぞ」と言い聞かせている状態で、全然それまでの日常が抜け切れておりませんので、何とか気を紛らわせる何かが必要だったのです。そんな時に走る事に出会い、毎日とはいかないまでも仕事終わりに近所の堤防沿いに走りに行くのでした。

最初の頃は筋肉痛が物凄く酷い一週間でしたが、徐々にそれもなくなり2か月、3か月と経つとゆっくりペースながらも5,6㎞と長く走れるようになってきたのです。恐らく、走り出すと集中して、自然に余計な考えが出来なくなるので、その頃の私にとってももってこいの運動だったんですねぇ。

友人の勧めで、とにかくゆっくりゆっくりスロージョギングっつーやつです。きちんとしたシューズを買ったり、反射板を身に着けたりと着々とランナーっぽくなっていくのでした。

その頃には


「早く帰って走りたい」



仕事中、こう思うようにまでなっていました。




そして…
季節が冬に近づいてきました。気温も肌寒くなり、走るのにも丁度いい時期です。

その当時、私の地域ではいつも以上にの目撃情報が入ってきました。熊は冬眠前になると身体を肥やしておかないとダメなので沢山食べないといけないのですが、山に食料が不足していると山をおりて居住地域にまで探し求めるのです。普段ですとそんなに気にならないのですが、その年はすぐ近くまで目撃情報が来ていました。



「熊怖いな~」


「走ってる時出くわしたらどうしよう?」

など思いながらもジョギングは続けていました。私が走っていた所は小さな山のふもとで車もほとんど通らず、幅5m程の川の堤防沿いというか農道でして農作業されてる方や散歩やジョギングの方達とたまにすれ違う程度でした。

信号待ちなどなく車の危険の心配もあまりないので、色々と試みた結果そのコースに決めてからはそこだけを走るように…

それと、橋と橋の区間をグルグル回っていれば距離の調整も簡単にできましたので、そこもお気に入りポイントでした。


そんなこんなでに怯えながら走っていたある日、いつも通り折り返し地点をターンして、家路までの3㎞程を走っている途中でした。日が落ちるのも早くなっていたので、辺りも暗くなって街灯が灯っておりました。流れている川の少し下流で、




バッシャーン






大きな水音が聞こえました。



私は何事かとよーく目を凝らします。(視力2.0)




すると、黒っぽいモコモコシルエットの何かがゆっくりと堤防を上ってくるではないですか。

距離で言うと 5,60m・・・



私は・・・


く、

く、く、、熊や





「遂に現れやがったか」








覚悟を決めました。



初めての体験なのでどうしていいかも分からず、自分の記憶の中にある「死んだふり作戦はダメ」だって事、「背を向けて走って逃げたらダメ」って事を思い出し、相手(熊)も怖いんだからと自分に言い聞かせ、ダメもとで




「お~~~い!!!」


とか、 




「うおーーー!!」




さらには、









「フォーーーー!!!」







など大声で奇声をあげ、どこかに行ってくれないかと試みましたが相手はたじろぐ様子もなくゆっくりとこちらに近づいてくるのです。



「マジか!こっちにくる!」




見たところそんなに大きくはないみたい…
ですが、いくら小さくても野生の生き物、そう簡単に追い返せるわけにもいかんだろう?



その、シルエットがモコモコのそいつは一歩、また一歩と着実にこちらに近づいてきます。


のっそり、ゆったり。

その距離10m程でしょうか、奇声を発するのも諦め、いよいよ覚悟を決め、ファイティングポーズでジッと待ち構えました。

シンと静まり返る寒空のもと


オレの人生、

「こんな所で終わらせてたまるか!!」


「大切な家族の為にも、ぜってー負けん!」



一瞬でしたが色んな事が頭をよぎりました。

そして いざ 対決!!






と・・・



ほん近くまできてスーッと私の横を横切るその黒いモコモコの正体は、



なんとっ!!










後ろ手を組んだ腰の曲がった



おばあちゃん

だったのです。



ヘナヘナ~と座り込んでしまい、

「熊かと思ってビビったわ~もうっ!!」

そう私が言うと、


「ハハッ」




チョットだけ笑ってその黒いモコモコは去っていくのでした。

おばあちゃんからしたら、

「何か変な奴が変なこと叫んでるわ~、何なんやアイツは」

てな感じだったんだと思います。

こっちが勝手に死の恐怖を感じていただけの話で、おばあちゃんからしたらただの日常の一部なのですから。

それにしても、農家のお年寄り独特のカラーチョイス、センスにはこんな罠が潜んでいるとは…



また一つ成長したバソなのでした。




それからというもの、命の危機を感じた私は、完全にビビッて走りに行けなくなりました。



おしまい。


それでは、また会いましょう。

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